第2話

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「2万くらい……」  レイコが寂しそうに言う。    舞香が自分の財布の中を頭の中で計算していると、 座っていた後ろから突然、声をかけられた。 「舞香さん?」  飲み物を持って、舞香の後ろを通り過ぎようとしている男が言う。 レイコは興味津々の顔でその男と、舞香の顔を見比べながらにやにやしている。   舞香が振り返ると、スーツを着て眼鏡をかけた男が立っていて、首をかしげる。 「ケイスケだよ、憶えている?」  舞香は……憶えている……と、だけ答える。 「元気そうだね、今、どうしているの?」 「今は……」  舞香が言葉に詰まっていると、ケイスケがあわてて、あ、ごめん、お友達?   邪魔しちゃったみたいだな、と、言い、 もし、舞香とレイコの二人だけでこれからどこかへ行くのだったら、 三人で食事しないか、と、言う。  舞香とレイコは顔を見合わせ、レイコは舞香が良いなら、 一緒に行くとのことだったので、三人で食事することにした。  ケイスケは自分の会社がある副都心のほうまで二人を連れて行き、 高層ビルの最上階の焼き肉レストランへ入った。  次々に皿が運ばれ、流れ作業のように皿から 鉄板へ肉が並べられて行く。 「さ、じゃんじゃん、食べて」 ケイスケがはつらつとした声で言う。
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