再会

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バタバタと駆け込んで面接に来ては、妙な仕事を任されてしまった。 買い物だって…? そんなのも分からんのか、この妖怪は。 「じゃ、夕方には帰るから買い出しよろしくねっ」 ぱたぱた手を振り、玄関に消える所長。 しばらくして、クルマを出す音が耳に届く。 …なんだか急に不安になってきた。 コイツの記憶、本当に消えたのか…?  本当に全てを忘れちまったのか…? 「おい」 急に呼ばれ、オレの心臓がビクンと跳ね上がった。 ソファに座っている彼女は虚ろな目をして、俯き加減に喋っている。 「な、なんだよ」 「お前…アタシの事、知ってんのか…?」 「え…」 しまった。墓穴掘っちまったか…… オレが騒がなかったら、コイツとは関わる事も無かったのだろう。なんとなく天罰を喰らったような気分だ。 「昔のアタシ…どんな奴だった…?」 「そりゃー…」 ふと考える。 本当の事を言うべきか。 『お前は影を操り、沢山の人間を死へ追いやった』と─ ただ、それを言ってどうなる。 死んだ奴が… ミユが戻ってくるのか…? もし、コイツが今から正しい道を… 人間との共存の道を望んでいるのなら、本当の事を言うべきではない。
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