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† † † † † † † †
─糸島市 加布里教会─
「呂隈雄大、呂隈雄大は居ないか!!」
大柄な中年の男が、教会の扉を無造作に開けた。
頭と首は一体化していそうなガタイで腕は子供の胴体くらいはありそうだ。
目方はおよそ、200キロ。
身長約2メートル。
その男、日霊保の十神魔将……すなわち『神殺し』メンバーの一人で、名を『妻鹿(メガ)ロイド』と言う。
「神父なら留守だよ。休暇取ってベガス行ってる。っつーかオッサン、だれ」
呂隈雄大のアシスタントはメジャーリーガーのようにガムを膨らませ、机に足を置いてダラけきっていた。
いい少年が若い頃からこんな調子だと先が思いやられてしまう。
「ぬぅぅ!! このクソ忙しい時にベガスか!! なんとも羨ま…いや常識外れな…!!」
「こんな職場に常識人なんか居ねーって!! 頭洗って出直しな」
「小僧。軽口叩くのも今のうちだ。これを見ろ」
教会の一つのテーブルに、妻鹿は一枚の写真をたたき付けた。
「こ…これは…」
「地獄への穴だ。隣町…前原で確認された」
「…さ、帰ってゲームでも……」
「逃がさん。早く雄大…もしくは呂隈奈津を呼べ。大変な事になるぞ」
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