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軽い攻撃…だと…?
壁に大穴を開ける怪力だぞ…
「ウソだ…っ!! ボクの突きが…!!」
外から振りかぶった拳を軽く受け流し、裏から回した肘を手首で受け止め、腰を入れた膝を逆の手で叩く。
水紀の攻撃が…全く通用していない。
「ま、肉弾戦にこだわりたいんならイイけど。アタシも本気でいくよ」
今まで余裕のあったアンジェラの目に、光りが宿った。
それは飢えた獣のように。獲物を捕らえた獅子のように。
「良かった。少なくとも、肉弾戦なら水紀は負けないでしょうね」
遠巻きに警戒していた雷稚が構えを解き、リラックスした様子でため息を漏らす。
…観戦してる余裕なんてあるのか…?
「…何故だ? そんなに強いのか?」
野人を召喚しようとしていたのか、早苗も緊張感を解いていた。
「いえ…強いんじゃないんですが…あの子のオートシールドが破れた所は今までに見た事ありませんから」
…オートシールド…?
なんだ? それ…
上段突きに合わせ、身を低くしたアンジェラの上段蹴りが突き上げるように水紀の顎を狙って放たれた。
避けられない!! カウンターだ!!
だが、ピシッと妙な音を立てて、薄い『なにか』が水紀の前に現れた。
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