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「あれが、オートシールドです」
「…? 奴の攻撃が届かなかったように見えたが…」
「えぇ。空気中の水分を固体に変化させる…自己防衛本能の結晶のようなものでしょうか? 私もアレには手を焼きます」
「なにっ!?」
アンジェラの顔付きが変わった。
今まで余裕だと思っていた相手が、思わぬ特殊能力を持っているとは夢にも思わなかったのだろう。
その場でスッと立ち上がり、顎に手をやり考え始めている。
その隙に水紀が攻撃を仕掛けるが、やはり華麗に受け流されて効いていない。
「このままじゃ、ラチがあかないねぇ」
「奇襲失敗~。残念だったねー。早く帰れ!!」
「……これは、貴様ごときに見せるつもりは無かったんだけどな…」
目の光りを薄くし、力を抜いてフワリと宙へと浮くアンジェラ。
風もないのに。
かと思いきや、彼女の体の周りに古代文字がビッシリ浮かんだ。
黒く、まばゆい光に包まれ、思わずオレたちは腕で目を覆う。
黒い光が徐々に消え、オレが見た姿は─
漆黒で、スリムな鎧を纏った翼の生えたアンジェラだった。
太刀を思わせる刀はギラギラと輝き、触れただけで切断されそうな鋭さ。
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