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……フカフカのベッドの中。
彼の香りに身を委ねて、その雰囲気を味わう私。
私しか知らないこの香り。
コスモス色に染め上げて、もっと花びらを散らせたい。
……他の誰も踏み込ませない程に充満させて、もっとその腕の中に閉じ込めてほしい。
「いっくん、好き」
「知ってる」
……私がいつもそう言うと、返ってくる言葉はいつもその一言。
榊偉智(サカキ、イチ)こと、いっくんは、私の彼氏です。
誰にも負けないぐらい、彼に惚れてます。
……美しい瞳。
笑った時に、見せる子供のような眼差し。
茶色い柔らかい髪の毛。
口角を上げて笑う仕草。
まだ子供の私を包んでくれる大きな手。
私は目の前の彼だけでいい。
……他には何もいらない。
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