【第20話】新しい波と不穏な気配

3/30
1743人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
  駆け寄ると、彼は確認するように私たちに尋ねる。 「二人とも、今日の十六時頃ってあいてるか?」 「あー……私は大丈夫です」 「俺も、調整できます」 「そうか。じゃあ受けるとしよう」 「え?」 尋ね返した私に、佐川さんが目尻のシワを深くして、ニッと笑った。 「新規案件。化粧品関係らしいけど、二人で頼む。コピーは……宮野で」 そう言うと、電話の相手にその旨を伝え始める。 私たちは邪魔にならないよう、了承の意味を込めて頷いて、その場を離れた。 .
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!