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駆け寄ると、彼は確認するように私たちに尋ねる。
「二人とも、今日の十六時頃ってあいてるか?」
「あー……私は大丈夫です」
「俺も、調整できます」
「そうか。じゃあ受けるとしよう」
「え?」
尋ね返した私に、佐川さんが目尻のシワを深くして、ニッと笑った。
「新規案件。化粧品関係らしいけど、二人で頼む。コピーは……宮野で」
そう言うと、電話の相手にその旨を伝え始める。
私たちは邪魔にならないよう、了承の意味を込めて頷いて、その場を離れた。
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