【第20話】新しい波と不穏な気配

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  「化粧品、かー」 何気なく呟いた私に、長瀬は笑う。 「女の得意分野だよな。キラキラで可愛くて……ってやつ」 皮肉っぽい言い方に、思わず頬が引き攣る。 「……それ、プレッシャー? それとも喧嘩売ってる?」 「まさか。単純に、羽村メインの仕事になんじゃねーのかなって思ってるだけだけど?」 その長瀬の言葉に、頭を抱えたのは私だ。 「……うーん、そうよね……そうなるわよね……たぶん……」 「何だよ、嬉しくねーの?」 「いや、メインの仕事は嬉しいわよ? 最近プレゼン負けたばっかだし、ね……」 じろり、わざとらしく長瀬の方を見てやると、ヤツは苦笑していた。 .
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