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十六時。
私たちは鳳凰堂の会議室で、初めて会う女性に挨拶をされていた。
「はじめまして。鳳凰堂の御園 京香(みその きょうか)と申します」
軽く微笑んだその女性は、何と言うか、とてつもなく華やかなオーラを纏っていた。
薄く、だけど丁寧に施されたとわかる化粧は上品で、その顔立ちをさらに引き立てていて。
ハーフアップの髪、下ろした部分は緩いカールがついていて、鎖骨辺りにかかる角度も完璧だ。
耳元には控えめだけれど揺れて輝くピアス。
柔らかそうなブラウスに膝が少し見える丈のフレアスカート、そこからのぞく脚は女性らしい曲線を描いて、華奢なパンプスが華を添える。
整えられた爪先には、ベージュと白の王道フレンチに、ポイントでストーンがあしらわれているのもまたすごい。
この業界には珍しいコンサバ系、だけど。
内勤のOLさんたちとはまた違う。
そう、少し前に流行ったドラマで言う……ステキ女子、というカテゴリにピタッと収まる、とても綺麗な人だった。
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