二人の女神

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「私はメティスだから」 この言葉に込めた私の思いを 聖はわかってくれただろうか。 窓越しに照りつける 灼熱の太陽よりも熱い身体から 焦がされるほど伝わって来た 聖の心の叫び。 きっと彼は… 私の中に命の息吹を 植え付けたくて たまらないのだろう。 初めて抱かれた時も、 そして今も。 彼は自分の全てを私に こうして注ぎ込んだ。 禁断の行為とわかっていても それを繰り返す聖の本音。 私の身体の奥深くで 聖の生きた証を残したいという 願望がうごめいている。 でもこれは私にとっては 最後の希望。 もしも…私が聖の子を 宿したとしたら… その時こそ本当に孝之は 私を許さないだろう。
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