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あの出て行き方はきっとこれから彼と会うんだろう。
「毎日お見舞いなんて仲がいいんですね」
私の部屋の担当をしてくれている看護師さんは、年も近くてすぐに仲良くなった。
2つ年上で2歳の男の子のママだということを省けば、お互い仕事にまい進する同士だ。
「そうですね、姉妹みたいな感じですから。彼女くらいですよ、こんなに心配してくれるのは」
そんな私に彼女は笑みを溢しながら、手際よく点滴を交換し、脈拍などを測定してメモしている手を止めた。
「やっぱり知らないんだ」
「何を?」
もしかして弥生にまだ何か私の知らない秘密でもあるのかと、一瞬心臓が止まりそうなほど動揺した。
それともさっき聞いた私の主治医と付き合っていること?
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