真夜中の訪問者

15/35
前へ
/35ページ
次へ
あの出て行き方はきっとこれから彼と会うんだろう。 「毎日お見舞いなんて仲がいいんですね」 私の部屋の担当をしてくれている看護師さんは、年も近くてすぐに仲良くなった。 2つ年上で2歳の男の子のママだということを省けば、お互い仕事にまい進する同士だ。 「そうですね、姉妹みたいな感じですから。彼女くらいですよ、こんなに心配してくれるのは」 そんな私に彼女は笑みを溢しながら、手際よく点滴を交換し、脈拍などを測定してメモしている手を止めた。 「やっぱり知らないんだ」 「何を?」 もしかして弥生にまだ何か私の知らない秘密でもあるのかと、一瞬心臓が止まりそうなほど動揺した。 それともさっき聞いた私の主治医と付き合っていること? .
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

603人が本棚に入れています
本棚に追加