真夜中の訪問者

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両親も何度も来てくれたし、兄は警察に行ったり私の代わりに走り回ってくれたけど、キズが回復するのを待つだけの今、それぞれ自分達の生活に戻っていった。 それは私が望んだことで、それを無視して来ているはずもない。 片道1時間以上もかかるのだ。 命に別状もないし、無理はして欲しくない。 意識がないならともかく、朝6時から夜9時の消灯までちゃんと起きているんだから気付かないはずがない。 怪訝な顔をしている私に彼女はまたも笑いを溢す。 「全然想像つかない。ヒントは?」 直接聞けばいいのにどうしてヒントを望んだのかは自分でも不思議だった。 「ちょっと夜更かししてみるとわかるかも……。でも寝た振りしてないとダメですよ」 そんななぞなぞみたいなヒントを残して彼女は仕事に戻っていった。 .
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