真夜中の訪問者

19/35
前へ
/35ページ
次へ
最初はドア側に背中を向けていたのに、大胆にも寝返りを打つ。 廊下も最小限の明かりしかついていない。 きっと少しくらい薄目を開けていてもばれないだろうという安易な発想。 時々救急車のサイレンが聞こえる以外は本当に静かで。 足音がよく聞こえる。 「足音?」 それは看護師さんが履いているサンダルではない、明らかに靴の音。 落ち着いた歩調で歩くその音は徐々に大きくなっている気がした。 もしかして、これがそうなんだろうか? ドキドキしながら目をぎゅっと瞑る。 .
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

603人が本棚に入れています
本棚に追加