真夜中の訪問者

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やっぱり背中を向けようかと思い直した途端、足音がすぐ近くで止まった。 間に合わなかった……。 今動いたら物凄く不自然。 心臓が口から飛び出しそうなほど緊張したまま寝たふり。 きっと明るかったら起きてるってばれてしまいそうなくらい下手な芝居で。 でも静かに開いたドアから入る光はほんのわずかで、布団を鼻の辺りまで被っているからたぶん大丈夫。 ……だと思う。 耳を澄まして様子を窺っているのに、ドアが開いた後は全くの無音。 もしかしてお化けじゃないよね。 この際お化けじゃなきゃ誰でもいいとさえ思ってしまう。 .
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