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しばらくしてまたさっきの靴音がこちらへ近づき始めた。
ベッドの枕元にたった気配を感じ、起きていることがばれないように無心を心がける。
眉間にシワなんて寄せたら一瞬でばれてしまう。
薄目を開けてみれば、ぼんやりと見える腰から下の衣服。
紛れもなくスーツ姿の男性で。
私が起きていることに気付いていないのか、その人は静かに私の髪に触れた。
あ、この香り……。
覚えのある香りに胸が高鳴る。
出来るならずっと触れていて欲しい。
その手は1度離れ、ベッドの横に置かれた椅子に腰掛ける気配。
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