真夜中の訪問者

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期待されてもそんな甘い関係になんてなったことはない。 実際顔は見てないけど、きっとあの人だと思うから。 でも、どんな顔をして私の頭を撫でてくれていたんだろうと思うと、やっぱり起きていると言うべきだったのかとちょっと後悔してしまう。 きっと今夜来てくれても、私はもう目を開ける勇気は持てないだろうから。 昨日のあのタイミングだからこそ出来たことなんだと思う。 「なんだ、残念。2人には何かあると思ってたんだけどな」 ピピッとなった体温計を取って渡す。 「熱もなし」 無駄口を叩いていても仕事はしっかりこなすんだ。 「どうして私に教えてくれたんですか?」 .
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