真夜中の訪問者

9/35
前へ
/35ページ
次へ
「まぁ、木戸先生がらみではいろいろあったけど、一応けりがついてるんだし、美鈴がいつまでも気にすることじゃないよ。もっと自分のことを優先していいと思う。人のことばかり考えすぎ」 ごもっともな意見に反論の余地はない。 「一応お見舞いがてら謝りたいって言ってたけど断っといたよ。すっぴんの女性の病室に来るもんじゃないって」 「助かる」 お見舞いの気持ちは嬉しいけど、すっぴんにパジャマを着た姿では会いたくない。 仕事関係者だし、特に男性なら尚更。 会社の皆にもお断りしているくらいなんだから。 「まだ女を捨ててないところは評価するけど、このままじゃ30歳になっても1人かもよ」 「それは嫌かもしれない。でも、それなら弥生だって同じでしょ」 弥生だって私と同じ年で彼氏なしなんだから、しかも彼女こそ私の心配ばかりしている気がする。 .
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

603人が本棚に入れています
本棚に追加