1626人が本棚に入れています
本棚に追加
「今日提出していただいた提案はもちろん素敵ですけれど、もう一方向、あってもいいんじゃないでしょうか?」
その言葉に、難しい顔をしていた内藤さんの眉間が少しだけ緩む。
「もう一方向、ってのは?」
「今いただいているのは、女性が考える方向性が強いと感じます。せっかくなら、男性目線の提案が一つあっても良いんじゃないでしょうか?」
「さっき言ってた長瀬さん、ってのは、男性なのか?」
「はい」
そう言った御園さんの視線は強く、内藤さんは「うーん……」と呟いて黙ってしまった。
辻さんも、何か考え込むような素振りを見せる。
私は、内心、溜息を吐いた。
……こうなると、もう、御園さんの言う通りに動くことになるに違いない。
.
最初のコメントを投稿しよう!