【第21話】女の敵は、女?

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  驚いて隣を見ると、ユリナちゃんの頭から角が生えている……ような錯覚さえ起こす。 「ゆ、ユリナちゃん……?」 「澪先輩、ムカつかないんですかぁ!? フツー言いますっ!? あんなこと! もーほんっと、信じらんないですよぉっ!」 わなわなと震えるユリナちゃんに、引いてしまう。 私はそっと彼女の肩に手を置いた。 「ユリナちゃん、落ち着いて……」 「落ち着けませんっ! 何ですかあれっ! 長瀬さん長瀬さんって……ここにいるのは澪先輩なんですよぉ!? ああもうっ、腹立つぅぅぅっ!!」 噛み付いてきそうな勢いの彼女に、私の中の苛立ちなんてどこかへ吹き飛んだ。 自分以外の人が猛烈に怒っていると、自分の怒りなんて忘れてしまう、ものなんだろうか。 .
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