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驚いて隣を見ると、ユリナちゃんの頭から角が生えている……ような錯覚さえ起こす。
「ゆ、ユリナちゃん……?」
「澪先輩、ムカつかないんですかぁ!? フツー言いますっ!? あんなこと! もーほんっと、信じらんないですよぉっ!」
わなわなと震えるユリナちゃんに、引いてしまう。
私はそっと彼女の肩に手を置いた。
「ユリナちゃん、落ち着いて……」
「落ち着けませんっ! 何ですかあれっ! 長瀬さん長瀬さんって……ここにいるのは澪先輩なんですよぉ!? ああもうっ、腹立つぅぅぅっ!!」
噛み付いてきそうな勢いの彼女に、私の中の苛立ちなんてどこかへ吹き飛んだ。
自分以外の人が猛烈に怒っていると、自分の怒りなんて忘れてしまう、ものなんだろうか。
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