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「ユリナ、澪先輩のデザイン、すっごくすっごく好きなんですっ! だからあんな言い方、許せませんっ! ……そりゃ、長瀬さんのデザインだってステキですよぉ!? でもっ……でもっ……!」
ぐすっ、と鼻をすすった彼女のやさしさが、私の胸に染み渡る。
……もう、その言葉だけで、十分だよ。
ありがとう、ユリナちゃん。
そう言おうとした私の言葉を遮るように、俯いていた彼女が勢い良く顔を上げる。
「ああーもう! やっぱムカつくっ!! 営業がいなかったらゼッタイ、澪先輩に謝れって詰め寄って締め上げてやったのにぃ!!」
「い、いや……それは逆にいてくれて良かったよ……!」
あの場で掴み掛かられたりなんかしたら、全部終わる。
私は大事にならなかったことに少しだけホッとしながら、ユリナちゃんの背中をなだめるように擦った。
けれど、ユリナちゃんはキッと強い瞳で私に言う。
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