【第21話】女の敵は、女?

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  そして、その後。 心配していた仕事は、何とか軌道に乗り始めた。 最終的に、クライアントが気に入ってくれたのは私のデザインだった。 けれど、『長瀬さんの案とずっと迷ってらしたので』と言う御園さんの強い希望で、長瀬もこの案件に加わることになった。 長瀬の持っている仕事が佳境を迎えようとしているのを知っている身としては、出来れば阻止したかった。 これ以上、迷惑をかけるのは忍びなかったからだ。 だけど取引先様である立場を十分に利用した御園さんの要求に逆らえるはずがなく、渋々受けることになった。 『忙しいのに、ごめん』 そう言って長瀬に頭を下げると、 『気にすんな。どっちにしろ羽村メインの仕事なんだから、俺は楽させてもらうし』と浅く笑ってくれた。 .
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