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神谷さんへのメールを返信しながら、私は隣の長瀬を盗み見た。
相変わらず忙しそうな長瀬はヘッドフォンを装着して、私の視線にも気付かずに自分のMacと向き合っている。
『手伝うよ』と声をかけても『大丈夫だから気にすんな』と返されてしまう。
長瀬には、週末の撮影にも参加してもらうことになっていた。
いくら何でも詰め込みすぎて、体調を崩したりしないか、ちょっと心配に思う。
……それにしても、だ。
ちょっと前まで私は、神谷さんのことが気になって仕方なかったはず、だったのに。
ふと、そんな思いが過って、小さく苦笑してしまう。
この数ヶ月で、随分、様変わりしたものだ。
私を取り巻く環境も、私自身の感情も。
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