1626人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
相変わらず美味しい料理に、味のあるお酒たち。
随分いい気分になってきていた私に、神谷さんが話を切り出した。
「御園は、どう?」
「えっ?」
「上手くやってるのかなって。ちょっと気になってね」
先輩として、そして私たちを紹介してくれた側としての心配、かな。
そう思った私は、お酒を一口喉に流し込んで、答えた。
「はい、大丈夫ですよ。クライアントにも受けが良いみたいですし、自分の意見もしっかり言える方ですよね」
「そうだね。ちょっと頑固な部分もあるけれど」
「あはは。それは私の方もそうですから、気にならないですよ」
私は大げさなくらい、明るく笑った。
少しでも陰が見えたら、嘘っぽくなってしまうと思ったからだ。
神谷さんは軽く頷いて、質問を続ける。
.
最初のコメントを投稿しよう!