奴隷の獣人

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入り口が騒がしくなる。シュンは『地潜』で身を隠した。 「おい、そろそろ時間だ。今日も頼むぜ?ニナ。」 ニナ「・・・早く殺せっす。」 さっきの少女だろうか。ふてぶてしく男に言う。 「そう言う訳にもいかんさ。折角の金づるをみすみす手放すとでも?なぁ?獣人さんよ。」 シュン「(獣人?この世界にいたのか。全く見ないから居ないのかと思った。」 ニナ「勝手すね。人間は。昔はオイラ達の一族と共存してたのに裏切り見世物にするなんて。」 「どうとでも言え。穢らわしい畜生が。」 シュン「(!!。」 危うかった。一瞬ほんの一瞬だけだが殺意が理性を凌駕した。シュンの中でさっきの男を半殺しにすることが確定した瞬間だった。 男とニナが去るとシュンは魔法を解除し外に出てくる。牢屋の中にいる全員が息を呑んだ。貼り付くような重苦しい程の殺気がシュンから溢れていた。帝達もここまでの怒りをシュンが見せるのは始めてだと思った。
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