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地下闘技場ー
薄暗い闘技場の上に少女は立っていた。薄いピンクの髪から犬の耳が生えている。この世界の獣人は動物の特徴が一部にだけ現れるようだ。
ニナ「(今回こそ、きっちり死んでやるっす。これ以上生きてたくないっす。)」
少女の心は荒んでいた。度重なる嘲笑や戦闘からくる疲労が限界に来ているのだ。光のない眼で敵を待つ。が、聞こえてきたのは怪物の咆哮ではなく悲鳴だった。怪物が出てくる筈だった入口から出てきたのはシュンだった。
シュン「ん。どーも。えーと。王の命令でここを潰しに来た。」
「んだあのガキ!?改造魔獣をあっさりと?!」
「潰しに来た。だと?ふざけるな!」
ニナ「あんた・・・。」
シュン「ん。さっき会ったね。ニナだっけ?」
ニナ「余計な事を・・・。」
シュン「?」
ニナ「助けなんて頼んでないっす。オイラは外に出たくないんすよ!」
そう言うとニナは拳を握りシュンに飛び掛かった。そのスピードが尋常ではなかった。シュンは反応出来ず殴り飛ばされる。
シュン「痛ぅ。何すんの?」
ニナ「オイラは!汚ない外に出るよりも薄暗いここで死にたいんすよ!余計な事をするなっす!」
シュン「何で?」
ニナ「何でってあんたには関係ねぇっす!」
「そうだ!ニナやっちまえ!そうすれば望み通りにしてやるぞ!」
ニナ「そう言うことっす。悪いとは思わないっす。あんたを殺す!」
ニナを白いオーラが包む。手を氷の爪が覆う。
ニナ「だぁぁぁ!」
シュン「!。ちっ。『天焔ーあまのほむらー』!」
赤い炎の剣が出現しシュンはそれを掴む。ニナの攻撃を刃の部分で受け止めた。
シュン「ぐ!(重い?!アルグレットの攻撃力なんか目じゃないな。)」
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