私のヒーロー。

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私のヒーロー。

------ 私は幼いころ、些細なことでよく泣いていた。 そのたびに、よく親友の、太陽に慰められていた。 なく理由は子供であったため単純である。 近所の男の子にからかわれたり、何もない道端で転んだり、太陽の家で飼っている犬に吠えられたり・・・ どんな些細なことで私が泣いていても、いつも太陽は文句も言わず傍で慰めてくれていた。 「大丈夫だよ。」とか、「怖くないよ。」って声をかけてくれていた。 同じ年なのに、私には大人びて見えていた。 笑顔がかわいくて、人当たりがとっても良かった太陽は誰からも好かれていった。そんな太陽はいつも私の傍にいてくれるのだ。 私にとって太陽は特別な存在だった。 小学校に上がると太陽はさらに人気がでた。スポーツもできて、みんなを平等に扱う太陽のことをみんなが慕っていた。  人見知りな私は教室ではいつも一人ぼっちで椅子に座っていた。 みんなに囲まれる太陽を横目で見て、恨めしいと思ったこともあった。  だけど、学校が終わると、太陽と私は一緒に帰り、夜遅くまでお互いの家であそんでいたから、寂しいことはなかった。 高学年になったとき、私と太陽はクラスが離れてしまったが、お互いの仲のよさは昔から少しも変わらなかった。 しかし…私はそのときからいじめを受けていた。 太陽のことを好きな女子が私と太陽との仲を良く思ってなかったらしい。 「うざいんだよ」「太陽くんに付きまとうな」「死ね」 などといった罵声を浴びせられていた。 私は、そのことを太陽には言わなかった。 「もし太陽に言ってしまったら、太陽はきっとその女の子のことを怒りに来る。 そんなことしたら太陽が嫌われてしまう。」 そう思って、太陽には黙っていた。 罵声を浴びせられるだけだから耐えることはできた。 しかし、幼いころからずっと一緒だった太陽は私の異変にすぐ気がついた。 「どうした?大丈夫か?何かあった?」 太陽は私の顔をまっすぐ見ながら優しく問いかけた。 その瞬間、私の目から涙がとめどなく流れてきた。 太陽は一瞬びっくりした表情を見せたが、真剣な顔に戻り、私をぎゅっと抱きしめてくれた。私は、いじめられていることを太陽に話した。 太陽は、優しく笑って、「俺が何とかしてやる。」と言って、私の頭をくしゃっとなでた。 次の日からいじめは綺麗さっぱりなくなった。太陽のおかげだ。
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