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ずれた扉板の前には、真っ暗な向こう側。頭を傾げ覗き込んでるとぼんやりと辺りが明るくなってくる。勢いつけて一歩足を踏み入れると目の前には四角い大きな影が、立ち止まっている。
影が案山子に向かって会釈すると、いきなり、扉を開けて倒れてきた。
あまりの勢いに逃げることも出来ずに案山子は覚悟を決めて身を任せる。
ふわりと体が宙に浮いた。
吹き飛ばされたように辺りは明るくなっている。目の前には無数のキャンドルが立ち並び四角いクローゼットが目の前にたっている。
案山子は生まれて初めてみる世界に戸惑う。くるりと背中を向けたクローゼットがキャンドル達の照らす廊下を歩きだす。
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