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ばあちゃんに怒られるのは俺なんだっつの、と小さく呟いて、メイはどっかと足を机に乗せた。
そのついでにまた本を手に取る。
そんなメイの髪を、風が優しく撫でていった。
その風と共に、小さく鳥の鳴く声も運ばれてくる。
チチチ、チチチ。
小さい鳥が二羽、遠くで戯れながら飛んでいた。
「しかしなぁ」
レオンはロビーにある備え付けのソファーに座りながら、改めて棚を見渡し、
「届かねぇ荷物がこんなにあんのかい」
その声につられるようにメイも見上げて、
「ああ、そうだよ」
それだけ言って、またつまらなそうに本に視線を戻した。
「鍛冶屋んとこの息子のイアンは早々に村を出たし、アンリーばあさんは王都に近ぇとこに住んでるっていう親戚のとこ行っちまっただろ。そんなの数えきれねぇ程いるだろ。そういうウチだって、姉ちゃんも兄ちゃんも弟も、みィーんな出て行っちまった。危なくて何もねぇとこには居たくねぇんだと」
それにレオンが不服そうに鼻を鳴らす。
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