王とその仲間達

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 青年がそう言うと、男はふうと息を吐いた。 それに青年は余計に身を固くする。 かさ、という小さな音と共に一匹の動物が顔を出す。 茶色に縞の入った小柄な体。 太く丸まった尻尾。 黒い瞳は大きくて愛らしい。 その顔の額の部分――。 そこにひとつ、小さな角が生えていた。 「探知はかけたか」  と、男。 「かけましたが――如何せん、移動魔法を使ったようで」 「ラダ」  男が青年の言葉を遮って、オレンジ色の髪をした少年に声をかける。 少年――否。 「オレはムリにきまってんだロ」  首を振る動作はまさに人間そのものである。 だが、その異様に長い手足、緑色の肌。 口は耳まで裂け、その瞳は――大きな一つ目。 そう、彼は―― 魔物だ。
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