ある男の転生②

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「あれ…ここは…」  俺は見知らぬ空間で目を覚ました。 おかしいな、今まで何してたっけ。 ぼんやりする頭で周囲を見渡してみる。 上も下も、ふわふわと雲のようなものが何処までも漂っていた。 あれ? 何だ、これ。 丁度、そう思っていた時である。 「君か」  唐突に声がして、俺は振り向いた。 するとそこには、何て言うか――作り物みたいな男が立っている。 立っている、というのも違うのかもしれない。 だって俺は確かに座り込んでいるんだけれども、手も尻も床らしきものに接触していない。 感覚が無いっていうか――浮いているっていうか―― あれ? 何ここ。
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