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「あれ…ここは…」
俺は見知らぬ空間で目を覚ました。
おかしいな、今まで何してたっけ。
ぼんやりする頭で周囲を見渡してみる。
上も下も、ふわふわと雲のようなものが何処までも漂っていた。
あれ? 何だ、これ。
丁度、そう思っていた時である。
「君か」
唐突に声がして、俺は振り向いた。
するとそこには、何て言うか――作り物みたいな男が立っている。
立っている、というのも違うのかもしれない。
だって俺は確かに座り込んでいるんだけれども、手も尻も床らしきものに接触していない。
感覚が無いっていうか――浮いているっていうか――
あれ? 何ここ。
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