2人が本棚に入れています
本棚に追加
今話せるのはここまで、と言われて理解も出来ていないまま中庭に出た
ベンチで膝を抱えて小さくなっていると優斗さんがきて隣に座った
「ショック、と言うより理解してない、だと思うけど…そんなもんだろ最初は」
そう仰られても、私はなんと答えていいやら
「そういえば、優斗さんて名字はなんて仰るんですか?」
「俺達って基本名字とか本来無いんだ、ペットにポチとか付けるみたいに、とりあえず、笹原だけど住民票とるための適当な名前なんだ」
「そうなんだ…私、中原美桜、よろしく」
そういって手をさしだすととっさに向こうが身体を引いた
「悪い…つい」
少し息を吐いてから私の手を軽く掴んできた
「手、潰しそうで怖くて」
「…そっか、心配してくれて有難う」
「いや」
手を離すと立ちあがって離れた
「行っちゃうの?」
「まだ授業あるしな」
「まじめなんだ」
「いや、単位落として時間を無駄にしたくないだけだ」
「そう、私も職員室行かなきゃ」
「送る」
「大丈夫」
私も立ち上がる
「もうだいぶ覚えたよ」
「…いや送った方がよさそうだ」
そう言うと私の後ろを見て睨みつけた
「?どうかした」
私が振り返ってもだれもいなかった
「行くぞ」
「…じゃあ、お言葉に甘えて」
最初のコメントを投稿しよう!