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「私が…もっとしっかりしてれば…」
何が何だか分からないが落ち込む柊さんに近づくとさりげなく彼氏さんが私と柊さんの間に入った
「あの…大丈夫ですか?」
「問題ない…」
柊さんに聞いたつもりが彼氏さんから答えが返ってきた
「…あなたも人間なら覚えておきなさい、やつらにとって人間の女は邪魔以外の何物でもないのよ…くそっ!」
そう言いながら目の前のロッカーを殴って扉をへこませた
見た目にそぐわないほどの怒声だった
「あの…確かに人間ですけど…他に何が?」
「…知りたい?戻れなくなるけど」
また返したのは彼氏さんだった
「ええ、まあ」
「本当にこっち側に来てもいいと思ったら放課後毎日いるから音楽準備室においで」
「あの彼氏さんのお名前は…」
「俺?…零、俺の名前…どうする?」
「どうするって…」
「いろいろ呼ばれるから…」
「浅井京介」
こんどは柊さんから返ってきた
「一心同体って感じですね」
ちょっと茶化したつもりが当たり前って顔で彼氏さんが頷いた
「じゃあ後で、私は戻るので…」
「うん…」
背を向け少し経ってからさっきへこんだやつであろうロッカーの扉が凄い音をたてて私の後ろを飛んでいった
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