第1話

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あんたは蟹さ 英雄たちの足下で 主役になんてなれないまま 踏まれて潰されるだけのね 地で見てる奴らが あんたを指して笑うだろうよ 「あいつは天に上げられた でもあの蟹は何もしちゃいない ただ踏み潰されて可哀想な奴だって 神様に同情されたのさ」 あんたのでっかいハサミは何のためだい? 運命の鎖なんて引きちぎって 振り上げて見せてこそ、生きている甲斐ってのがあろうと言うものさ 傷だらけでもいい 泡を吹いてでも自分のために怒るんだよ 明日が来ないなら 今日を生きりゃいい 昨日が地獄なら 生きている日は天国だ 殺しあってる『英雄たち』が、ただそれだけでもてはやされる 見ているのにも飽き飽きしたろ? 思い出せ、自分の名を 忘れちゃいないんだろ? あんたもかつては 英雄の敵に数えられてたって事を
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