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まだ月の明かりが
残る明け方
小さな村に住む
とある一人の若者が
眠っていた
「すー…。すー…。」
青い短髪に整った顔をした若者は安らかな寝息を立てて眠っていた
この若者の名前はリュウ
幼少期に両親をドラゴンに喰い殺され、自分の両親の仇を討つためドラグーン城の兵士に志願したが年齢が足りずに兵士になれないでいる不幸な若者だ
「すー…。すー。」
兵士になることを諦めきれず
今日も厳しい修行をしたせいか
ぐっすり眠っていた
そのとき
『リュウ…。起きなさい…。』
「……!な、なんだ!?」
いきなり声が聞こえリュウはびっくりして起き上がった
「だ、誰もいないだと…?」
リュウは辺りを見渡したが
誰もいなかった
「おかしい…。確かに声がしたはずなのに…。」
リュウは首を傾げた
『リュウ…。起きましたね…。』
「…!!やっぱり声がした!」
『リュウ…。神に選ばれし若者…。あなたには世界の平和を守るため戦ってもらいます…。よろしいですか…?』
「な、何…?世界の平和…?神に選ばれし若者…?」
あまりにも急な話で
リュウの思考回路は
完全に故障した
『そうです…。この世界に憚る大いなる闇を、あなたの力で振り払ってください…。』
「まて…!一人じゃ流石に無理だろ…?」
『大丈夫です…。ちゃんと他にも選ばれし若者は存在します…。まずは村の中を回ってみてはどうでしょうか?』
「な、なるほど…。よし、夜が明けたら村を回るぞ。」
『それではよろしくお願いします…。』
そして声は聞こえなくなった
「よくわからないけど、俺がやるしかないんだよな…。なんだか面倒なことに巻き込まれたな…。」
声がしなくなった部屋で
リュウは一人つぶやいた
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