プロローグ

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遥か昔、まだ空に竜が駆け、地上を幻獣が闊歩していた神話の時代。 この世界には二人の女神が存在していた。 愛と叡智(えいち)の女神オルレアン。 力と争いの女神アエーシェス。 相容れない二人の女神は共に争い続け、世界は一度滅びた。 そして、二人の女神は覚める事のない永遠の眠りについた。 だが、眠りについた女神に代わり、この世界にそれぞれの女神の血を引く人間が現れた。 その人間は互いに国を築き、ユーシェス大陸には人類最初の国が生まれた。 それが後(のち)のアスティナ王国とグランベル帝国。 異なる女神の血を引く人間はその女神を崇め、そして女神がそうであったように互いに争い続け、世は長い戦乱の時代が続いた。 しかし、その争いにも終わりを迎えた。 人界歴687年。長い戦いの末、共に疲弊した二つの国は当時の王によって和平条約が結ばれた。 それから百年。この世界に平和な時代が訪れた。 だが、それは一時(いっとき)のまやかしでしかなかったのだ。
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