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どのくらい時間が経ったのだろうか。
2人でいるのが自然すぎて、穏やかすぎて、居心地よくて……でも、さすがに帰らなくては。
そう考えた矢先。
「明日から1週間出張だから」
なんて言いながら、鍵を手渡された。
「これ何の鍵ですか?」
「ここの部屋の鍵」
「えっ?」
「自由に使っていいから。俺を恋しくなったら困るだろ?」
って……あたしたちの関係は?
と、思った瞬間抱きしめられた。
「離さないって言ったろ?」
「ですが。あたしの気持ちは?」
「俺は、お前の事が好きだよ。お前も俺の事を好きになれ」
「ええっ!?そんな簡単に?」
「待つよ。桜井の気持ちが決まるまで。だが、俺の気持ちは、変わらないから」
真っ直ぐな瞳でいい放つ松本部長。
今すぐ、あたしも好きです。って言えばよかったのだろうが、あたしにはまだ自信が無くて、言えなかった。
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