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「うちまで送ろうか?」
「いえいえ。これ以上ご迷惑をお掛けするわけには」
「そのかわいい素顔は、誰にも見せたくないからね」
そうだ!あたし素っぴんだった。これではバスにも乗れない。
「すいません。たくさんご迷惑おかけしておりますが、あとひとつだけ。送ってください」
ペコリと頭をさげる。
「ふふっお前って本当にかわいいなっ。もっとちゃんと甘えろよっ」
「ありがとうございます」
手荷物を持ちながら玄関に立つと。
「あっ忘れ物!」
松本部長に言われ、振り向いた瞬間……唇を奪われた。
「んっ……!?」
何度も角度を変えながらされる優しいキスにとろけそうになりながら、あたしは、松本部長を受け入れていた。
「1週間分なっ」
照れながら言う松本部長が愛しくてたまらなかった。
「来週の金曜日に戻って来るから、泊まりに来いよ。ずっとここに泊まっててもいいけど」
「いらっしゃらないのに、ずっとはさすがに」
「じゃあ金曜日、待ってるから」
「あの、それは……」
「じゃあ俺が泊まりに行こうか?」
「えっ!?じゃじゃあ、あたしが来ます」
「あぁ、待ってる」
どっちにしろ泊まる事になるのね?ちょっと強引な松本部長に、惹かれている自分を感じた。
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