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目の前に来た松本部長は、あたしの心を探るように話しかける。
「桜井、さっきのは……申し訳ない。あれは……」
今は、正直何も聞きたくない。
あたしは、松本部長の言葉を遮るように話しかけた。
「お買い物してきたのに、腐っちゃいそうで、冷蔵庫貸してもらえますか?」
ニコッと笑うあたしにホッとしたのか?松本部長も優しく微笑んだ。
「ああ、もちろんいいよ」
買い物袋を持ってくれたと同時に、あたしは、強く抱きしめられた。
「俺は……璃子だけだから」
ふたりでそっと見つめあい、触れるだけの淡いキスをした。
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