◇◇ 第5章 ふたりの朝 ◇◇

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5分ほどタクシーを走らせ、きれいな高層マンション前に着いた。 こんな所に喫茶店ってあるの? 不思議に思いながらも、タクシーの温もりで眠らないようにするだけで必死だった。 またもや腕をもたれ抱えられながら高層マンションの中へ。 エレベーターでかなり上階へ……そして、ひとつのドアの前に着いた。 「どうぞ」 「えっ、ここどこですか?」 玄関の中に入って驚いた。 「俺の家」 「うそっ困ります。コーヒー飲むって」 「だから、ここでゆっくりコーヒー飲んで話をしよう。まぁ上がれ」 もうダメ……眠くて……限界。 そのまま眠りに堕ちながら、遠くで声がした。 「桜井!大丈夫か!?」 その後、ギュッと抱きしめられたような……温かな感覚に包まれながら。 あたしは、そのまま夢の谷底に堕ちていった。
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