2598人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
5分ほどタクシーを走らせ、きれいな高層マンション前に着いた。
こんな所に喫茶店ってあるの?
不思議に思いながらも、タクシーの温もりで眠らないようにするだけで必死だった。
またもや腕をもたれ抱えられながら高層マンションの中へ。
エレベーターでかなり上階へ……そして、ひとつのドアの前に着いた。
「どうぞ」
「えっ、ここどこですか?」
玄関の中に入って驚いた。
「俺の家」
「うそっ困ります。コーヒー飲むって」
「だから、ここでゆっくりコーヒー飲んで話をしよう。まぁ上がれ」
もうダメ……眠くて……限界。
そのまま眠りに堕ちながら、遠くで声がした。
「桜井!大丈夫か!?」
その後、ギュッと抱きしめられたような……温かな感覚に包まれながら。
あたしは、そのまま夢の谷底に堕ちていった。
最初のコメントを投稿しよう!