◇◇ 第5章 ふたりの朝 ◇◇

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突然、引き離され、松本部長は、いたずらっ子のようにニヤリと笑った。 「お前、無防備すぎ。そのまま身を預けてたら、最後までヤられちゃうぞ!それとも最後までしてほしかったかな?」 あたしは、一瞬で現実に引き戻された。 真っ赤になった自分も後悔したけど、それ以上に、松本部長をすでに好きになってる自分に気づいてしまった。 「あの、ありがとうございました。いろいろご迷惑かけたようで、本当にごめんなさい」 「解ればよしっ。飯でも食おうか?」 「あっ、いえ。これ以上ご迷惑おかけするのも」 途中まで言いかけてると松本部長が遮った。 「作るから食べていけよ」 まだここにいてもいいの?声に出せない疑問を繰り返しながら。 まだここにいたい、そばにいたいという気持ちが、あたしを留まらせた。 「ありがとうございます。何から何まで……」
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