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すっかり着替えて、更科さんが用意してくれていたランチを頬張る。
「あたし、知らなかったんですけど」
本当は、スタッフのみなさんに「おめでとう」って声をかけられて、めちゃめちゃうれしくて、頬を赤らめてるくせに
ちょっと拗ね気味で言う。
「俺も、全然知らなかったよ」
平然と和也さんが言う。
「うそっ!?どこから知ってたんですか撮影してるって」
「だから、知らないって。だって璃子がドレス着たのも偶然だろ?」
「えっ?」
確かに……そう言われれば。
そこへ、ニヤニヤしながら更科さんがやって来た。
「璃子ちゃん本当に想定外だったんだよ」
「本当ですか?」
「璃子ちゃんがたまたまウェディングドレスを着る事になって、じゃあせっかくなら和也も正装したらってなって。そしたら、偶然和也が指輪出しちゃうから……絶好の撮影チャンスでしょ」
更科さんがウインクしながらあたしを見る。
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