2379人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
1ヶ月以上が経ち、月曜日。
今週は、毎年恒例の社運をかけた?大きなパーティーが行われる。
この1ヶ月以上、みんなピリピリムードの中、着々と準備が進められてきた。
「桜井さんおはよう」
後ろから宮前さんに声をかけられた。
宮前さんは気づいていないが、あたしは、あの日の一部始終を見ていた。
女としては、とても悲しい出来事があったはずなのに
そんな事も微塵も感じさせないくらい、ずっとキリッとした表情だった。
「おはようございます」
「今週は、パーティーを成功させることが一番だから、しっかり頼むわね」
「はいっ」
そう言うと書類を持ち、社長室へと向かった。
「桜井さんおはよう」
「村上さんおはようございます」
「パーティーって言っても、女子社員には関係ないからねっ。しいて言うなら、お酌係かな。でも、気をつけないと、イヤらしいオヤジもいてね。毎年誰か泣かされるんだよ」
「へぇ~そうなんですか」
「まぁ~呑めない桜井さんが、そんなオヤジの相手をさせられるわけないし。私たちは、のんびりがんばろっ」
「はいっ」
あたしは、村上さんのひと言に、いつも救われていた。
最初のコメントを投稿しよう!