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金曜日。いよいよパーティー開催。
17時半から受付で、18時開始。
あたしは、村上さんと朋美ちゃんと幸ちゃんの4人で受付担当だった。
周りには営業担当者がいて、お取引先様が到着すると、にこやかに迎い入れ、席へとご案内する。
かなりの人数が集まるパーティーとなった。
当然、松本部長も会場内に隈無く目を配る。
「あの方よ。渡様」
村上さんが、あたしに目配せした。
見ると、最後に大物らしきオジサマが登場した。
「政財界にも精通しているらしい、かなりの大物よっ。でも、彼には毎年泣かされちゃう子が多いのよ」
「パーティーならではですね。あたしの生活では、絶対に会うこともない方です」
「だよね」
村上さんの説明を聞きながら、あたしは、渡様のお名前をファイルから探していた。
渡のオジサマは、あたしの前で足を止めた。
「君は?見たことないね」
すかさず課長が答える。
「渡様この子は、今年入社しました桜井です」
あたしは、頭を下げた。
「桜井君か。後でお酌でもしていただけるかな?」
すかさず課長が返事をする。
「彼女は、まだ入社したてで、作法も弁えておりませんから」
「いいんだよ。わしゃ彼女を気に入ったんじゃから。なぁ、桜井君」
あたしは、成り行きに任せ、ただ微笑んだ。
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