幻影

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親友に力をもらった私は その勢いを殺さない内に、 小坂さんにメールを返信した。 今日の食事は一緒には行けないこと。 この間の返事をすること。 会って直接話したいということ。 しかし、すぐに返ってきた彼からのメールは 私の必死の決意とは裏腹に、意外にも軽いものだった。 ◆◆◆◆ そっか。会って話すなんて、堅苦しく考えなくていいよ。 メールで言ってくれた方が、ショックが小さくて済むし(笑) ◆◆◆◆ 顔を見ないで話すということは、 実際に彼がどう思っているのか、どう感じているのかわかりかねる。 この文面の通り、本当に笑っていてくれるのであれば、 私が思い詰めていたのとは温度差があるが、 正直その方がありがたい。 私はしばらく考え込んだ後、 お付き合い出来ないこと、 そして、気になる人ができたことを彼に伝えた。 ◆◆◆◆ 了解。 連絡ありがとう。 今度会った時は気を遣わないで友達感覚で話そう。 じゃあ、また。 ◆◆◆◆ 悩んでいたことが嘘みたいにあっさりと終わった。 何だろう、これ…… 力が抜けて、床にごろりと寝転んだ。
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