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日々の練習。 土日の練習、練習試合。 夏休みには午前中は夏期講習を受けて、午後は部活。 私たち12人は部活と受験勉強との両立にどこか不安を抱きながらも、それでもみんな笑顔だった。 私が最初に受験する学校も決まった。 こういう時に日々の努力が生きるのだ。 私は推薦入試を受けられることになった。 実家から通える範囲内の国公立の短大。 手に職をつけるという具体的な夢もなく、 金融関係に就職が多いとされていた学部に決めた。 経済、政治、何でもこいの教養学部。 偶然にも、親友の由奈が同じ短大の幼児教育学部への受験だった。 由奈も推薦入試。 由奈は保育士を目指していた。 一校一人の条件は、学部が違うので二人とも推薦入試の資格を手に入れることができた。 そんな偶然が私のやる気を掻き立てていたのかもしれない。 受験生ならみんな戦友だけれど、親友と同じ学校とあらば、どちらかが不合格になんて絶対になりたくなかった。
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