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……タイミング。
それは自分の思い通りにはいかないもの。
自分でコントロールできるのなら、世の中に『悪いタイミング』は存在しない。
私に彼氏が出来たわずか一週間後、
健吾くんから約一年ぶりに連絡が来たのだった。
携帯の画面には番号だけが表示された。
「誰だろう?」
そんな時はいつも少し構えた口調だ。
「……もしもし。福原です」
私のいぶかしんだ声色に相手は一瞬、間を置いた。
「……あ、リン?」
その声に、体の輪郭に沿って電気が流れたみたいだった。
「……健吾くん?」
家のリビングにいた私は急いで二階の自分の部屋に駆け上がった。
部屋に入ると心臓が躍っているのがわかった。
私はそれをなだめるように自分の胸に手を当てながら、
健吾くんの連絡先を失くしたいきさつを話した。
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