もう一つの再会

2/32
前へ
/32ページ
次へ
「桜井さん、どう思うかな?」 ワイングラスを揺らしながら由奈がニタニタと笑う。 酔っ払いの由奈には完全な人ごと。 一方、私は気が気ではなかった。 由奈の言うとおり、私の持つアカウントのプロフィール画像は私の顔写真ではなく、カエルのマスコット。 健吾くんにはカエルのマスコットが話しかけていたのだ。 さっきの投稿を見て、健吾くんはどう思うだろうか。 何かの反応があるのか、ないのか、緊張が酔いを冷ましていくようだった。 その酔いが冷めきらないうちに私もワインを口に含む。 味などわからないが、自分から酔いたいと思ったのは初めてだった。 数分後、 スマホが私に呼びかける。 ***** マジで楽しそうじゃん(笑) リンは俺のこと変わらないって言ったけど、 リンも変わらないな。 あの頃のままだ。 リン。 俺、あれからちゃんと禁煙してるよ。 *****
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1470人が本棚に入れています
本棚に追加