もう一つの再会

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私はサッシを閉めてカーテンを直した。 体が思った以上に冷えて両腕をさすりながらこたつに戻ると、 由奈が丸くなったままうとうとし始めていた。 私は由奈をそのままに、 かじかんだ指先で健吾くんへの返事を入力した。 ***** やっぱり変わってない? 相変わらずのマスコットだよ(笑) 禁煙、えらい。えらい。 直接褒めてあげるまで頑張って。 ***** ……会って直接褒めて欲しい…… 健吾くんの言葉を思い出しながら、 彼にもその言葉を思い出して欲しくて最後の文を打った。 ***** マスコットってなんだ? リンがマスコットなら枕元にでも置きたいな(笑) 冗談。 リンはマスコットなんかじゃねえよ。 早くリンに えらい って言わせたい(笑) おやすみ リン。 ***** ***** その時は何度でも言うよ(笑) おやすみ 健吾くん。 ***** 健吾くんとの会話は 聖夜の寒空を渡って、 私に奇跡を届けてくれた。 私たちは 会おうって、約束したんだよね? そう思って……いいんだよね?
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