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息が出来なかった。
全身をぞくぞくした冷たいものが這っていくのに、
目頭だけは熱かった。
鏡を見なくてもわかる。私の顔は蒼白だ。
……クリスマス。
……ひとり。
……夢じゃないといいよ。
そんなフレーズが頭の中をぐるぐる回転するのに、
『結婚したんだよ』その言葉がその流れを無理やり遮断する。
一秒間がどれくらい長い時間に感じただろうか。
息をするのも忘れるほどの私に言葉なんてない。
口を開いたのは純也さんだった。
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