再会 #3

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結局、純也さんが頼んでくれたココアにはほとんど口をつけなった。 最後の客として店を出ると、 私たちの背後で店のガラスドアに鍵が掛けられ、 ブラインドが下げられた。 雪が降り出していた。 やっぱり空は、この雪の準備をしていたのだろう。 大粒の雪は見上げる私の頬に止まり、 私の心に染み入るように静かに溶けた。 「……降ってきたね。駅まで行けばタクシー拾えるよ」 私は駅まで純也さんと歩いた。 純也さんが私の歩調に合わせるように、 私たちは着かず離れず一定の距離を保って肩を並べて歩いていた。 駅で並ぶタクシーの先頭車両に歩み寄り、 純也さんが一度車に体を入れて、運転手と言葉を交わしていた。 「遅くまでごめん。また連絡させてもらう」 純也さんは私をタクシーに乗せると名残惜しそうにタクシーから離れた。 「おやすみ」 「……おやすみなさい」 私は座席で小さく言った。
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